物納

 

1 物納とは

現金一括納付やクレジットカード決済に加えて延納でも困難な場合に、財産供出による納付を認めてもらえる制度です

要件をすべて満たせば、物納ができます。

2 要件

4要件です

(1)延納でも困難な金額の範囲内であること
(2)物納申請財産が、日本国内にある相続財産のうち次の順位によっていること
 ①不動産、船舶、国債、地方債、上場株式
 ②不動産及び上場株式のうち物納劣後財産
 ③非上場株式
 ④非上場株式のうち物納劣後財産
 ⑤動産
(3)物納に充てられる財産は管理処分不適格財産に該当しないこと、物納劣後財産である場合は他に適当な財産がないこと
(4)相続税の申告期限までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること

物納劣後財産は、財産の使用収益に制約が課され売却等しにくい財産です。

管理処分不適格財産は、担保権が設定されている不動産や境界が明らかでない土地等の管理処分しにくい財産です。

物納申請書を提出すると、相続税の申告期限から3ヵ月以内に、延納の許可か却下の通知があります。
物納申請財産の状況によっては、9ヵ月かかることがあります。

3 選定

物納申請税額によって、物納申請する財産を選定します

4要件のうち(1)~(3)に反しないように選定していきます。

物納申請財産の収納価額は、遺産の評価による相続財産の評価額(小規模宅地等の特例等適用後)が原則です。
この収納価額が物納申請税額の範囲内でなければなりません。

「物納申請財産の収納価額<物納申請税額」です!

選定した物納申請財産を、税務署長が管理処分不適格財産または物納劣後財産であるとして却下したら、1回だけ再申請できます。

4 物納再申請と延納申請

却下通知の翌日から20日以内に1回だけ他の相続財産で物納を再申請できます
却下理由によっては、延納の申請もできます

物納再申請は、却下の理由が、物納申請財産が管理処分不適格財産または物納劣後財産であるとされたときだけです。
却下の理由が、そもそも納付が困難ではないとされたら、物納再申請はできませんが延納の申請はできます。

物納再申請も却下されたら、物納再々申請も延納申請もできません!

5 利子税

延納と同様に、利子税かかかる場合には次のように計算します


申請書を税務署に提出後の審査期間は、利子税はかかりません。
申請税額や利子税が少額の場合には、利子税の納付を免除してもらえることがあります。

利子税の割合は、次のどちらか低い金額です

・年7.3%
・各年11月30日までに財務大臣が告示する割合+0.5%

物納申請却下による延納申請が許可されたら、延納の利子税がかかります!

6 特定物納

延納から物納への変更です

延納の許可を受けた相続人が、支払能力の変化より、条件変更をしても延納の継続が困難になった場合の手続きです。
延納の継続が困難な金額を限度に、物納への変更ができます。

この特定物納の申請は、相続税の申告期限から10年以内に、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出します。

 


 

物納はとても大変です。

税理士は知っています。
物納はお近くの税理士を頼ってくださいね!

 


 

金田会計事務所は、新宿、新宿三丁目、新宿御苑前で相続が得意な会計事務所です。