教育資金贈与の非課税についての改正点
前回は、贈与税の非課税の適用期限延長の改正について説明しました。
今回は教育資金贈与の非課税の内容についても改正がありましたのでご説明します。
その前に教育資金贈与の非課税制度について確認していきましょう!
【前提となる適用要件】
・贈与者:直系尊属(父母や祖父母など)
・受贈者:30歳未満の子や孫など(前年の合計所得金額が1,000万円以下の人に限る)
・非課税限度額:1,500万円
【教育資金贈与の非課税の流れ】
・贈与者が金融機関に教育資金口座を開設
・金融機関経由で受贈者の納税地の税務署長に教育資金非課税申告書を提出
・贈与者が口座へ入金
・受贈者が学校等の教育機関へ授業料などを支払い、領収書を受領する
・契約の払出方法に従って上記領収書を金融機関へ提出、資金を引き出す
・受贈者が30歳に達した時点で教育資金口座が契約終了
・契約終了時に口座残額がある場合、残額に贈与税課税
まとめると、父母や祖父母などが金融機関を通じて1,500万円までの範囲で
一括贈与した資金のうち教育資金に充てたものは非課税とされます。
契約終了時に残額があった場合、残額部分に贈与税が課税されます。
今回の改正では契約終了時に使用される贈与税率について変更がありました。
【改正点】
特例税率→一般税率へ変更
・特例税率:親→子※又は祖父母→孫※の贈与に適用される税負担の少ない税率
・一般税率:特例税率対象者間以外での贈与に適用される税負担の大きい税率
※贈与年1月1日において18歳以上の受贈者である子又は孫に限る
教育資金贈与の非課税制度は延長されましたが、内容は今まで通りの制度ではなくなりました。
契約終了時に口座に資金を残すと税率変更により贈与税の負担が大きくなってしまいます。
改正は令和5年4月1日以後の贈与につき適用されます。
これから教育資金贈与の非課税をお考えの場合には、契約終了時に残額が出ないよう
予め計画を立ててから贈与することをおすすめします!